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雨水ネットワーク会議 全国大会

第5回 雨水ネットワーク会議 全国大会2012in東京

“いのち”育む雨循環 いま~あした

開催日:2012年 8月4日・5日
会場:東京大学生産技術研究所 コンベンションホール

開催趣旨

東日本大震災以降、雨水は放射能汚染による不安の対象になり、雨水活用への取り組みにも影を落としています。その後の調査から汚染の実態が明らかになりつつあり、雨が汚れを洗い流しているという効果も見えてきました。雨をいたずらに恐れるのではなく、天の恵みとしてあらためて見直す必要があります。

雨水は多くの生き物の“いのち”を育んでおり、人の“いのち”も雨水に支えられています。震災後、次の大災害に備える意識の高まりから、雨水タンクの需要が急増しています。地震だけにとどまらず、地球温暖化に伴う豪雨や渇水への取り組みにおいても、雨水活用が期待されています。「いま」のこの状況を踏まえ、「あした」につながる雨循環をつくりだしていきましょう。

大会宣言

“いのち”育む雨循環、いま~あした

雨は全ての生き物の“いのち”を育みます。
雨は水循環の始まりであり、「雨循環」が水問題を解決します。
いま、汚染された雨も清らかさを取り戻しています。
あした、に向かって雨水活用を進めましょう。

「雨水学習」に携わる人は、培われてきた雨の文化を学び、引き継ぐとともに、さらに新しい雨との付き合い方を育む役割を担っています。
そのためには、現在問題となっている放射性物質による雨水汚染の実態を科学的に正しく捉え、“いのち”を育む雨水の本来の姿を正しく見つめる必要があります。
その上で、雨水活用の多面的な価値を定性的にも定量的にも実証して行くことが研究者、教育者に求められます。
そして雨水を活用する「教育力」を高め、新たな時代を世界の人々と共に切り開きましょう。

「雨水事業」に携わる者は、雨水を資源・エネルギーの面から見直し、多くの人が雨水を活用できるように、安全・安価で環境負荷削減に配慮した製品や施設をつくる努力が必要です。
人々に雨を美しく見せ、楽しさや豊かさを付加するとともに、環境性能をも備えることへの意識転換が必要です。
このような製品や施設を通じて、雨水をゆっくり流し、植物や動物と触れ合える「雨水技術」を創造しましょう。

「雨水市民」は、一人一人の小さな実践でも、皆が取り組めば、洪水をも防ぐ大きな効果を生みだすことができます。
雨水を公共に委ねるのではなく、自らが使いこなす自助が大事です。
培われてきた歴史や先人の知恵を忘れることなく、「雨水文化」を伝えて行きましょう。

「雨水行政」は、雨水利用の法律ができることを踏まえ、技術開発や基準づくりに取り組む必要があります。
防災の観点から雨水循環を位置づけ、河川や上下水道だけでなく、道路、住宅、都市計画、教育、環境、農林漁業等、あらゆる行政機関の連携を図っていく必要があります。
雨水は水循環の課題を解決する鍵であり、流域市民との連携により「雨水制御」を進化させましょう。

今、日本はようやく雨水の利用や水循環に関する法律も成立する時代になりました。
すでに雨水利用から雨水活用に発展し始めた画期的な時を迎えています。
今後、雨水活用を広く世の中に広めるために「雨活:あめかつ」という略語を使いましょう。
「雨活」をみんなの合言葉にして行きましょう。
あらゆる分野の人々が知恵を出し合い、「雨活人」を育てましょう。

そのためには、雨水の多面的な価値を知り、楽しみ、
人も植物も動物も、皆公平に、雨の恵みを受けとれるようにすべきです。
雨水は、「天の水」であり、「地球の水」なのです。

東日本の大きな災害を踏まえ、“いのち”育む雨循環を再生し、日本を立て直すべく、次回の東北大会に向けて議論を深めて行きましょう。

全国大会の概要・大会報告書については下記よりご覧頂けます。

全国大会